ペルー、クスコ郊外半日ツアーを行く⑤
Sacsayhaman サクサイワマン遺跡
インカ王トゥパック・ユパンキはクスコの街をピューマの形になぞって作ったのですが、そのピューマの頭の部分に当たるのが、このサクサイワマン遺跡。ケチュア語で満腹のハヤブサを意味するそうです。
この壮大なサクサイワマンを建てたのは、トゥパックユパンキの父パチャクティ。完成までに50年の歳月を費やしました。

サクサワイマンに入ると、切り込みが入った岩があちこちにあり、もう一つの洞窟の方へと続きます。



前回のケンコー遺跡の方は中でミイラを作ったとか骨が多数出土したとか聞いて何とも言えない雰囲気がありましたが、こちらは入り口からして狭く、人が一人屈んで歩いて通るのがやっと。光が全く入らない岩石のトンネルで、とりあえず何も見えないので、前の人の声をたよりに手を四方八方に広げて手探りで出口を探すという、このなんとも言えない怖さが、ここにはありました。ちょっと慣れてくると洞窟が緩い左回りの螺旋を描いているのがわかりましたが、それでも目の前が真っ暗。


ジグザグ状のヘビは、インカの宗教観では地下を意味し、大地の女神パチャママが再び新しい生命を生むためのエネルギーを集めている準備段階を意味するのだそうです。なので冥界とはちょっとニュアンスが違うかな。
そう言われると真っ暗な洞窟を通り抜ける事でその宗教観を擬似体験しているのではないかという気持ちになりました。
雷神を意味する三層のジグザグ状のテラスには巨大な石が使われ、その中でも最も大きな石はストーンヘンジの巨石よりも大きいとガイドさん言っていました。
当時は上部テラスの上にはMuyumarcaと呼ばれる高さ20mの円形の塔があり、内側は天体観測の為の巨大な水鏡になっていたそうです。水鏡の横には実物大の動物の置物が置かれていたという。
太陽の神Intiと月の神Quillaを祀る神殿Temple of Hanan Qospoの他にsuchunaと呼ばれる墓地の一角もあったそうです。








スケールが大きいサクサイワマン遺跡ですが、現在残っているのはわずか20%
毎年インカ帝国の祭、インティライミがここで行われます。ちなみにインティライミは太陽神を祀るので、冬至に行われます。そう、これなんですよ。イギリスのストーンヘンジも本来なら一年で最も日が短い冬至の方が大切なのです。
現在でもこの位置からクスコの旧市街地を一望できるので、当時だったらピューマの全体像もはっきりと見えた事でしょう。

今回のガイドさん、超ベテランで20年以上3泊4日のインカトレイルのガイドをしてきたそうですが、その間の最短記録がなんと4時間なのだそう!
40kmの距離、2250mから4250mの標高差のある山道を僅か4時間で駆け抜けるって、ものすごく速いペースだと思ったのですが、先日オリャンタイタンボでアンデス100㎞ウルトラマラソンに遭遇したので、できないことはないとは思いました。
それでもインカトレイルを歩いた人のYouTubeとか見ていただけに、ガイドさん超人です。サクサイワマンの石段も一気に走って降りていたのでびっくり。インカトレイルも彼なら楽に走破出来そうだと思いました。
彼は、インカ族ではなくてプレ・インカの一族出身。インカは自分たちにとっては征服者なので、スペイン人が来たら、もちろんスペインに加担するに決まってるじゃないか、って言ってました。確かに。なんか、この視点からのガイドツアーは面白かったです。
そのガイドさんのお勧めが日没時。太陽が山の合間に沈み、サクサイワマンが黄金色に浮き出て最も美しく見えるから、ツアーの見学の順序を変えるんだと言っていましたが、納得です。




この後も、ツアー自体は続き、ツアーと提携するお店による時間アルパカファームへ立ち寄りました。が、遺跡巡りはここでいったん終了ということで。
今回一連のポストを書くに当たり、Floor de Maria Ramoz Janampa著 Children of Pachamama Inkasを参考にさせて頂きました。彼女はクスコの公認ガイドで、運が良ければクスコ大聖堂周辺で直接お話が伺えるかもしれません。