【アンドラ】行く意味があるのか?謎の国アンドラ。一泊二日で温泉と三か国を巡る旅 後編

日本人にとっては馴染みがなく、ヨーロッパ周遊の経験者でも滅多に寄らないという謎の国アンドラ公国。アンドラってどこ?という人が多いのではないでしょうか。

そんな謎の国、アンドラへ一泊二日の弾丸旅行に行ってきました。

と、その前にストレスが頂点になった原因のカルカッソンヌとアンドラ国境の一日目はこちら。トゥールーズからアンドラへ 前編

後編の今回は、まずは簡単なアンドラ公国の説明から

アンドラってどんな国?

アンドラはピレネー山脈に位置し、フランスとスペインに挟まれたヨーロッパのミニ国家。面積は日本の金沢市や、東京23区の約4分の3程度、人口は約8.3万人で東京23区では千代田区より少し多いほど。このデータからもかなりコンパクトなスケールの国であることが分かります。

AI地図、二度目の登場

ピレネー越えに適した立地は古代から交通の要所として繁栄し、あのカルタゴの将軍ハンニバルが第2次ポエニ戦争で象の軍団を引き連れてローマ侵攻をする際にここ、アンドラを通ったという言い伝えがあります。(最も、現在の研究ではハンニバルが通ったのはもっと標高が低い地中海寄りの南側のルートとされています。確かに象でこのルートは厳しいですよね。)

アンドラ政府が成立したのが1993年。同年、国際連合に加入していますが、EU欧州連合には現在も加盟していません。

EU非加盟なのでシェンゲンには入っていませんが、シェンゲン内で発行されたパスポート保持者はフランスとスペインとの協定で出入国審査を免除されています。

で、ここで注意なのが、日本やイギリスといったシェンゲン協定外のパスポート保持者でアンドラ国内で連泊する人はシェンゲンカレンダーに影響するので要注意。

特に長距離バスではチェックが厳しく、チケット購入時、または乗車時にパスポート提示を求められます。私も今回入国審査を受けるように言われたので国境の警察署に立ち寄っています。

ただこのシェンゲンカレンダーが曲者というか、出入国の日も一日として計算するので、実際のところは私のように一泊のみの滞在ならシェンゲンエリアへの出入国記録が増えるものの、カレンダーの日数には全く影響しません。ストレスが増えるだけで意味ない…とは言ってはいけませんね。

そして、地図には今回の旅の動線を含めてみました。アンドラ行きの長距離路線バスは、スペイン側のバルセロナ発着が最も多く、トゥールーズからの本数はあまりありません。地図を見ると気づくと思いますが、カルカッソンヌから車で直行した方がかなりの時短ですし距離も近いです。ただ、フランス側からだとトゥールーズからしか路線バスがないので選択肢がありません。当然ですが、バルセロナからアンドラに入り、トゥールーズに抜けることも可能です。また、長距離路線バスのAndbusはバルセロナ空港とトゥルーズ空港ともにアンドラ・ラ・ビリャへの直行便を結んでいます。

前回は午前中に南仏カルカッソンヌ空港から電車でトゥールーズに移動し、市内を弾丸ツアー。そして夕方アンドラ行きの長距離バスに揺られて4時間…

夜、アンドラ・ラ・ビリャのバスターミナルに到着したところまででした。

本編に至るまでがまでが長くなってしまいましたね。

旧市街地にある歩行者用エレベーター

さすがヨーロッパ一標高が高いところにある首都だけあって、地面が平らなところがなく四方八方が坂。坂を延々と登らずに済むのが嬉しいのが旧市街地にあるこのエレベーター。特に夜到着したので近道大歓迎です。

これを二つ乗り継ぐと旧アンドラ国会の建物の前に出てきます。

今回はアンドラ・ラ・ビリャへの到着予定が夜9時20分だったので、バスターミナルに近い旧市街地の中に宿を取っていて正解でした。宿が旧国会の建物から歩いて一分。そこまでの間もレストランのテラス席で賑わう中を通り抜けたので、一人で夜歩いていても全く心細くなることはありませんでした。

ですが、宿が完全無人のチェックイン/アウトでちゃんと鍵が開けられるかとか心配だった事、カルカッソンヌとアンドラ入管のストレスで部屋にたどり着いた時は外に出て食べる気が完全に失せていました。

トゥールーズ買ったサンドイッチがまだ手つかずだったので、それを半分程食べてシャワーを浴びて寝ました。

翌朝、

昨夜の雷雨が嘘のように晴れました。

今朝は朝から温泉に行くので朝食も控えめ目に。私の部屋は屋根裏で極小サイズではありましたが、バスルームもちゃんとあったし、いかにも旧市街地の山小屋を改装しました風で雰囲気が良かったです。

旧市街地の路地。宿はこの奥

正直、温泉の入場時間が朝一番でなければ、宿の暖炉の前に座ってコーヒーを飲みながらまったりできたのになあとちょっとだけ後悔です。

チェックアウトをして散歩がてらカルデアまで歩いて行きました。

アンドラ・ラ・ビリャ旧市街、聖エステヴァ教会

12世紀に起源を持つロマネスク様式の教会で鐘楼は街のシンボルなのだとか。木造の梁など内部も美しいようですが、カルデアの入場時間が迫っていたので外観を見たのみでした。

川に沿ってゆるい坂道を登っていくと例の街の名前が付いた橋がありました。ですが、写真を撮るには完全に逆光で文字が見えにくくはっきりしません。後ほど再チャレンジしようと思います。

アンドラが誇る南欧最大級の温泉スパリゾート「Caldea(カルデア)」に行く

ミニ国家アンドラの首都に欧州最大級の温泉があるのを知っていましたか?

アンドラ・ラ・ビリャにある「カルデアCaldea」は、未来的な全面ガラス張りの大ピラミッドタワーが印象的な、南欧最大級の複合温浴施設です。

ここでは地下深くから湧き出る天然温泉水をふんだんに使用しており、屋内外の広大な温水プールやジャグジー、滝、各種サウナなどを楽しめます。

欧州の温泉あるあるですが、入館料が高い!せっかくのアンドラなので街も少し見て回りたかったこともあり、朝2時間入れる割引のチケットを購入しました。一週間以上前に予約したので31ユーロでしたが、当日だと41ユーロなので予約した方が断然お得です。というか、何度も書きますが2時間しか利用できない朝割でこの値段は高いと思います。

実は、温泉はここカルデアだけでなく、温泉付きのホテルもアンドラ・ラ・ビリャには数件あるので、スキーやハイキングの後に温泉付きのホテルでゆったりと過ごすのも良いかもしれません。

さて、カルデアの徒歩での入口は道路を挟んだ反対側の広場から太鼓橋のような階段を上って入ります。わざわざ歩いて上まで行って入ったのに、長い廊下を通り、受付は再び下へ。謎のつくりです。

受付でバンドと下履きをもらい、隣の店でタオルを受け取り、更衣室へ。

受付で下履きをもらえるし、スマホの防水ケースも受付で売っているのになぜかタオルは隣の店から受け取るという、ここでも謎の動線です。

そして更衣室へは受付でもらったバンドをかざして入場したあとにあるし、ロッカーはそのまた奥。一方通行のようで…なんか、ここまで来るのに結構歩かせられた感じというか、無駄な動線というか、ふと『注文の多い料理店』が頭に浮かびました。

そう、ここカルデアはスマホ持ち込みがOKです。その辺はあらかじめ調べていたので、地元のスーパーALDIで買って、防水チェックしてから持参しました。

朝一番で入ったのでまだ空いていましたが、日曜日だったこともあり、出る頃にはかなり混雑していました。中のメインプールは、温泉のイメージはなくてプールそのまま。温泉成分とかが書かれたものは見なかったので効能については全然期待はしていませんでしたが、数時間後の帰りの飛行機の中で、あれ?腕がすべすべだわ、って感じたので温泉なのは確かです。

今調べたところでは、ピレネーの山々から湧き出る天然の硫黄泉で、高い美肌効果と疲労回復効果があるのだそう。癒しにもいいとあるけれど、この後スペイン側の入国審査があると思うと全く癒された感じはありませんでした。

2時間の朝割のクラッシックのコースだと、使えるところが少し限られてしまいますが、まあ、水風呂やサウナ、ハマムもあるのでちょうどいいかなと思いました。ただ、アクアマッサージとかは私のような背が低い人間が使うと、水圧がかかるスポットが微妙にズレていて、肩ではなく後頭部直撃だったのが残念です。

アンドラ・ラ・ビリャでウィンドウショッピング

カルデアを出た後は、繁華街メリチェル通りを行き、再び旧市街地を抜けてバスターミナルへと向かうことにしました。

先程まで入っていたカルデアのガラスのとんがり屋根は修理中でしたが、離れて見ると改めてスケールの大きい温泉なのが分かります。

メインの繁華街は山岳地帯だけあってアウトドアショップの数が多いだけではなくて、色もデザインも豊富でした。もし、ハイキング用品が必要ならば、私なら迷わずここアンドラまで買い出しに来ます。去年のペルー行きの前にここで服やバッグを揃えたかったな。

現在ではアンドラも消費税(IGI)が導入されているものの、4.5%と他のEU内の税率よりも低いのでタバコなどは個人で持ち帰れる免税枠ギリギリの特大サイズで売っていました。

それもあるのですが、イギリス国内ではタバコが見えるように陳列して販売することさえも禁じられているので、店頭でタバコを売っているのが既に自分の中では『海外の光景』でした。

タバコと酒類の他は化粧品の店舗が圧倒的に多かったという印象です。

メインの繁華街は結構人出が多くてどこも混んでいました。皆さん地元アンドラ在住の人とは思えない買いっぷりなので近隣のフランスやスペインから買い出しに来たのでしょう。

そんなことを思いながら歩いているとショッピングセンターがありました。服の値段とかも興味があったのでふらりと入り、その足で上階のカフェレストランへ。アンドラに到着して、気づいたらサンドイッチしか食べていなかったので、お昼ではありますががっつり頂きました。ここにはありませんが、デザート付きの3コースで20ユーロしなかったと思います。

お昼を食べた後は、再び川沿いを歩きながら旧市街地方面へ。

ゆがんだ時計のモニュメントはいかにもダリの作。『時の貴族』(仏語: La Noblesse du Temps / 英語: The Nobility of Time)というタイトルがついていて、時計の上にあるカエルの指先のようなものは王冠で頭上に載っているんだとか。だらんとした貴族です。

この奥に朝、逆光でうまく映らなかったアンドラ・ラ・ビリャの名を掲げた橋があるのですが…次に行きます。

旧市街地

旧市街にあるアンドラ旧国会はスキー場でよく見かけるような山小屋のようでした。いや、もっと国会としての会議場なども内部には整っていたのだとは思いますが…見た目はアルプスの山小屋です。

アンドラ公国には郵便局がなく、刑務所も2005年までなかったそうです。それだけ治安が良いという事なのかな。

旧市街地の建物は石造りが多くて、冬は寒そうだし、足元が滑りそうだし、シニアには決して暮らしやすそうな国とは思えなかったのですが、プライベートバンクのオフィスがあったりとお金持ちの国であることは間違いありません。

そんなお金持ちの国なのに、皆さん公園にある野外のフィットネス器具でエクササイズしていたので、それはちょっと意外でした。そして、野外器具が子供用の器具も含めて結構充実していました。意外と住みやすく、子育てしやすい環境なのかもしれません。

ちなみに、今回は首都のアンドラ・ラ・ビリャ、それも旧市街地に泊まったこともあり、すべて徒歩で回りましたが、ここアンドラ国内で他の地域を結ぶバス路線が6つほどあります。それらの地区は夏はハイキングの拠点に、冬はスキーリゾートの拠点としても人気があるのでバスもちゃんと来るのですが、やっぱり自家用車での移動が圧倒的に多いかなという印象でした。バルセロナ側の国境付近には路線バスのバス停があるのですが、フランス側は…国境で降ろされてしまったら、ヒッチハイクしかないのかなと本気で思いました。

さらばアンドラ

さて、バスターミナルに戻り、バルセロナ空港行きのバスに乗車しました。乗車する直前に、翻訳機能を使ってカタロニア語で『再度入国審査を受ける必要があるので、入管で止まってください』とメモを見せると英語でI got you!と返事が返ってきました。

スペイン側の国境は首都のアンドラ・ラ・ビリャからも近く、川に沿って町がありました。

バスが国境の検察所の脇に停車したので、パスポートを手に走って出たものの、フランス側のようなちゃんとした建物がなく、あるのは高速道路の料金所のようなブースのみ。外にいた警察官にパスポートをかざして入管はどこ?と聞いたら、ブースの裏側にまわってとの返事。こちらの入国審査は建物の中ではありまでんでした

無事にスペインに入国。

ここでも再度、写真と指紋も採られました。面倒臭い…とは思うものの、記録上シェンゲンエリアに入っている事になっていないと帰りの空港で大騒ぎになるのも困るので仕方がありません。

前にも書きましたが、私が乗ったバスはバルセロナ空港行きでした。既に以前観光で来た事もあるのと一泊二日なのでバルセロナ市内に寄る時間がなかったというのが理由ですが、もし時間に余裕があれば全ての塔が完成したサグラダ・ファミリアの外観は見てみたかったかなと思いました。

市内の道路事情を考えて、一本早めのバスで空港へ行き、早めの夕飯というかとりあえずの腹ごしらえをしました。

マンチェスター空港から運転して帰るのでノンアルコールのビールでお疲れ様。早めのひとり打ち上げです。

マンチェスター行きの便は見事に遅れて、家に着いたのがほぼ明け方。往路の便だったら、アンドラ行きのバスの時間をずらすかトゥールーズ泊に変更する必要があったので、帰りの便だったのは不幸中の幸いだったと思います。

帰宅して見たメールの中にあったライアンエアーからのお詫びのメールにはなんと遅延保障のクレームをするリンクが既についていました。明らかに向こう側に非がある場合はクレームする方法の説明付きで速攻で送ってくるのだと初めて知りました。

そして、アンドラですが、自家用車があれば割と簡単に行けると思います。ハイキングやスキーを楽しむならのんびりと一週間くらい滞在しても良いのではないでしょうか。


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